· 

新聞の人生相談を読む

 新聞の「人生相談」を読んでいると実にいろいろな相談があって、こんなこともあるのか、と驚くと同時に、その回答にも注目します。

 回答者は著名な評論家だったり、小説家、医師、漫画家、芸人などさまざまで、誰が担当するかによっても、回答の方向づけがすっかり変わってしまいます。

 毎日新聞と読売新聞は比較的キャリアや仕事、就職に関する人生相談が多いので、キャリアコンサルティングにも持ち込まれそうなテーマが少なくなく、時々チェックしています。 

もちろん、もしこの相談が自分に投げかけられたら、どう話をしていくかな、どんな方向になるかな、という例題のようなつもりで読むのですが、せいぜい10行前後のスペースに書かれた内容では、相談の背景やご本人の気持ち、経緯などを詳しく聴くこともできないので、ひたすら想像を膨らませるしかありません。

 しかし、回答の内容は自分の思っているものとどうしてこうも違うのか、と思うことが少なくありません。だいたい右か左か、チャレンジするかとどまるか、というときは思い切って挑戦せよ、といった答えが比較的多いように思います。中には、もっとつらい立場にいる人がいることを思えばあなたはぜいたくだ、みたいな回答もあって、ここまで一刀両断にできるとは、と驚くことも少なくありません。

 人生相談が一つのエンタメとしての読み物要素もあると考えれば、そうした編集もあるのかもしれませんが、果たして相談者にとってアドバイスになっているのかなっていないのか。

 「キャリアコンサルティング」とは対極にあるようなこの「人生相談」コーナー。私には、いろいろな意味で勉強になります。